もっと気軽にオーダー家具を

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企業理念みたいなもの #3

「オーダー家具は高いもの」
これは、多くの方が自然に抱いているイメージだと思います。
実際、一般的な”オーダー家具”というものには無垢材や集成材といった高価な材料が使用されていて、さらにそれらを加工するための大型機械や設備が必要になります。
材料費だけでなく、機械の維持費や電力などのコストも含めれば、価格が高くなるのも当然のことです。

でも、家具づくりの現場にいると、少し違った見方もできるようになります。
家具を作る工程の中で、実は一番お金と時間がかかるのは「形を作ること」ではなく「外見をきれいに仕上げること」です。
高額な無垢材だけではなく、店舗什器などでよく使われるメラミンやポリ合板といった化粧材も、ホームセンターで売られている合板の何倍もの価格となります。
家具は、外面をどこまで整えるかで、価格が大きく変わるのです。

メラミン化粧板についてはこちら

逆に言えば、外見に均一で完璧な仕上がりや高級感を求めなければ、たとえ”オーダー家具”でも価格を抑えることは可能です。
見た目だけ整っていて中身が弱い既成品家具とは違い、構造をしっかり作れば多少ラフな仕上がりでも長く安心して使える家具を製作することができます。

ミッドクラフトでは、ホームセンターで手に入る針葉樹合板やコンパネ、そして製作した過程で余った端材を積極的に使っています。
これらは本来、化粧板を貼ることを前提とした家具の下地に使われる材料で、外装にそのまま使うのは「邪道」と言われることもあります。
合板の荒い地肌にそのまま塗装をした仕上がりは、いわゆるキレイなイメージの北欧家具などとは真逆のルックスです。

それでも僕は、修行時代の町工場で使われずに捨てられていく材料を見て、ずっと「もったいないな」と感じていました。
それらの細かい端材を、手間をかけて貼り合わせ補強し塗装してみると、均一ではないからこその表情や味わいが生まれます。
それは決して安っぽいものではなく、むしろ既成品にはない強烈な”個性”になります。

こうした”オーダー家具”は、「プロの職人が作るDIY家具」と考えてもらうと、しっくりくるかもしれません。
自分で作るのは難しいけれど、既成品では味気ない。
高級家具ほど気負わないリーズナブルな予算で、でもしっかり使えて長持ちするものが欲しい。
そんな方に向けた家具です。

レコードや本、フィギュアに囲まれた、自分だけの落ち着ける空間。
そんなワクワクする「秘密基地」を作るお手伝いができたら、それ以上うれしいことはありません。

人とは少し違う、あなたらしい暮らしを楽しみたい方のそばに、ミッドクラフトの家具が寄り添えたら。
それが僕の願いです。

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これほどやりがいのある仕事はない

これほどやりがいのある仕事はない

企業理念みたいなもの #2

家具職人の仕事というのは、大まかに2つに分けられるようです。

1つは無垢材や集成材などを使って、テーブルやイスなどの個人住宅向けの家具を作るというもの。
飛騨高山の工房などが有名なところですが、もっとお求めやすいところだと無印良品の家具などを想像すると良いでしょう。
一般的に『家具職人』と聞いて連想するのは、こういった人達ではないかと思います。「作家」とも呼ばれる方もいらっしゃるのではないかと。

もう一つは、「芯材」という材料で作った枠組みを「ポリ合板」という化粧板で挟み込むようにして木工ボンドで貼り合わせる『フラッシュ』という技法を用いて部材を作り、それを組み立てて天板や見付けの部分にはメラミン(デコラとも言います)という1mmほどの硬い化粧板を速乾ボンドで貼り付けて、ひとつの家具に仕上げていくというものです。
もちろん、必ずしも毎回その技法を用いる訳ではなく、部分的にコンパネや集成材などを用いることもあります。
こちらは主に、ショッピングモールの飲食店や百貨店、美容院や居酒屋など、店舗用の什器を作ることが多いです。

*写真は僕が工場勤務当時に製作した店舗什器です。

僕がこれまで働いていた工場で行っていた仕事は後者です。
無垢のテーブルなどをつくる『家具職人』の方が、一般的には何やら高尚なイメージがあるようですが、前者と後者の仕事は似て非なるものです。
寿司職人のように長年の経験で蓄積された腕前がものをいう前者と比べて、後者は応用力と要領の良さが重要になります。
ああいった店舗什器は、工場の流れ作業のようなもので作られるイメージがあると思いますが、そういう作り方をするのはホームセンターに売っている既成品の家具であり、吊り棚やレジカウンターなどの店舗什器は、毎回図面を起こして製作されます。

僕がこれまで行っていた仕事は、昔で言うところの『3K』(キツい、汚い、危険)というやつです。
同じ職場の方々もみんな中卒・高卒の方ばかりで、どうやら高学歴の方が就く仕事ではないようです。

しかし、僕はこれほど高度にクリエイティブな仕事を他に知りません。
いかにコストをかけずに頑丈で美しいものを素早く仕上げるか、というのを頭と体をフルに使ってこなしていく。
他の業種も同じだと思いますが、いつも限られた予算と差し迫った納期が決められていているので、のんびりとマイペースで作る、などということは当然許されず、その現場ごとに寸法や仕上がり具合なども毎回違うので、当然マニュアルなどはありません。
引き出しや扉などが複雑に設置してある図面などを渡されることも多く、「こんなのどうやって作るんだ?」と毎回頭をひねっていたものでした。
化粧板の材料なども、いかに無駄なく使うか切り方をその都度考えなければならず、少しでも切り方を間違えてしまうと、高い材料をまるまる無駄にしてしまうこともあります。
なおかつ、機械に取り付けたむき出しの巨大な電動ノコギリを扱っているので、常に危険と隣り合わせ。恥ずかしながら、僕も指を切る、というより裂いたことも、一度や二度ではありませんでした。

2009年から2017年の8年間働いていた工場は親方がとても厳しく、少しでも見当違いな方法で仕事を進めていたら、怒鳴り散らされる毎日。精神的に叩きのめされて、毎回勉強する日々でした。
正直、ツライなぁ、情けないなぁといつも思っていましたが、仕事が嫌いだと思ったことは、一瞬たりともありません。

家具を作る。僕にとって、これほどやりがいがある仕事は無いと、自信を持って断言できます。

結局、先輩たちには技術的に追いつけないまま退職してしまいましたが、厳しい職場で何度も失敗して得た技術は、今後のmidd craftの仕事に大いに生かしていけると思っています。

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