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    ポール・ウェラーやプライマル・スクリームなど、英国のロックスターがこぞってリスペクトする生粋のモッズ・バンド、ザ・スモール・フェイセスの大傑作のファースト・アルバムだ。

     

    ジャケットに写るのは、にこやかに笑顔を浮べる4人の顔。本物のモッズである彼らだが、個性的すぎるルックス揃いのザ・フーと比べると、いささかアイドル的な軟弱な印象を受ける。
    ところが、音を聴けばその印象は一変する。全編にわたり、怒涛のR&Bが唸りを上げているのだ。

    さすがにザ・フーのファーストのように「規格外」とまではいかないが、それでもかなり熱い演奏だ。勢いでいえば、同時期のソニックスなどアメリカのガレージ・パンクにもひけを取らない。

    それにオルガンまで加わっているので、音はグルーヴィーで分厚い。熱いながらも佇まいはスマートな感じ。実に理想的なモッズ・バンドである。

     

    一曲目のロニー・レインが歌うサム・クックのカバー「Shake」は小手調べといった感じ。本領発揮は2曲目「Come On Children」からである。
    ジャキっとしたギターと叩きすぎなドラムのイントロ。スティーブ・マリオットの前のめりな熱いヴォーカル。打楽器のようなハンド・クラップ。とにかく圧倒される1曲だ。

    他にも、ポップさと黒っぽさが絶妙にブレンドされたオリジナル「It’s Too Late」「One Night Stand」 ソウルフルな「What’cha Gonna Do About It」「What’s A Matter Baby」 ヘヴィでガレージな「E To D」「You Need Loving」「I’ve Got Mine」 他のモッズ・バンドやオルガン奏者のようなオシャレなインストには程遠い、ムキ出しのオルガン・インスト・ナンバー「Oun Up Time」「Grow Your Own」など、とにかくカッコいいナンバーばっかり。
    その中でも異色なのが、ポップな「Sorry She’s Mine」と「Sha-La-La-La-Lee」だ。これはバンドのキーボーディスト、イアン・マクラガンがそれ以前に在籍していたボズ・ピープルがバックを務めていたケニー・リンチのペンによる曲。特に「Sha-La-La-La-Lee」は全英3位を記録する大ヒットナンバーだ。

     

    とにかく熱く、しかもスマートな1枚。

    古さなど微塵も感じさせない、最高に熱くてヒップな名盤だ。